年間15.2兆円の損失!企業に潜む“疲労コスト”を全国10万人調査で初めて可視化

プレゼンティーイズムによる企業の経済損失額と疲労による経済損失額 リリース
プレゼンティーイズムによる企業の経済損失額と疲労による経済損失額
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働き手の疲労が企業にもたらす深刻な経済損失とは

一般社団法人日本リカバリー協会は、「ココロの体力測定 2025」の10万人規模の調査データを用いて、企業における“疲労による経済損失”を算出しました。結果、企業全体の損失額は年間15.2兆円にのぼり、従業員1人あたりに換算すると年間22.7万円の損失に相当することが明らかになりました。

この分析は、神奈川県未病産業研究会、日本疲労学会、日本産業衛生学会、東海大学、株式会社ベネクスとの共同研究により実施され、プレゼンティーイズム(出勤しているがパフォーマンスが下がっている状態)による経済的インパクトを初めて詳細に可視化しています。

調査結果の要点:疲労の見過ごせないコスト構造

企業の従業員への経済損失額の疲労による割合・金額 単位:億円
企業の従業員への経済損失額の疲労による割合・金額 単位:億円
疲労による経済損失額の内訳(男女別) 単位:円
疲労による経済損失額の内訳(男女別) 単位:円
1人当たりの疲労による経済損失額 単位:円
1人当たりの疲労による経済損失額 単位:円
  • プレゼンティーイズムによる企業の経済損失は37兆円規模
  • うち疲労関連の損失は15.2兆円(全体の41%)
  • そのうち、既に顕在化している疲労症状による損失が10兆円(67.7%)
  • 将来的に予測される疲労リスクによる損失:約3兆円
  • 疲労に関連する症状(PMS、頭痛、ブレインフォグ等)による損失:約1.9兆円
  • 性別では男性が68%、女性が32%の損失割合
  • 一人当たりの年間疲労損失額は22.7万円(男性28.4万円、女性16.0万円)

専門家が語る“疲労対策”の経営的重要性

日本疲労学会 理事長の渡辺恭良氏は、疲労を「身体の活動能力の減退状態」と定義し、従来の「活動→疲労→休養」のサイクルが現代社会では機能不全に陥っていると警鐘を鳴らしています。
「健康経営」の取り組みだけでは限界があり、将来的損失を回避するためにも、“科学的かつ予防的なリカバリー投資”の重要性が増していると指摘。日本人が“世界一の短睡眠国”であるという事実も、慢性的な疲労が蔓延する背景のひとつです。十分な「休養の量と質」が確保されない状況が、疲労の蓄積を引き起こし、それが企業全体の生産性低下や経済損失という悪循環を招いています。こうした問題に対しては、単なる働き方改革や健康経営といった従来の枠組みを超え、より革新的かつ実効性の高い取り組みが今こそ必要とされています。睡眠不足や慢性疲労が蔓延する中、休養の量と質を高める取り組みが不可欠です。

リカバリー投資の可視化で経営判断を科学的に

4群(休養・社会活動満足×ストレス)における、人口構成と経済損失額 単位:%、円
4群(休養・社会活動満足×ストレス)における、人口構成と経済損失額 単位:%、円

今回の報告は、疲労がもたらすコストを「経営指標」として捉え、科学的な算出方法で可視化することを目的としています。属性別の詳細データに基づいた対策が、企業の生産性と持続可能性を高める鍵となります。

調査では「ストレスチェック」「休養・社会活動満足度」など複数指標を活用し、従業員を4群に分類。高ストレス×低休養層が経済損失の6割を占めるなど、職場環境の改善余地も見えてきました。

組織概要/プロジェクト参画機関

■団体名:一般社団法人 日本リカバリー協会
■所在地:神奈川県厚木市中町4-4-13 浅岡ビル4階
■代表理事:片野秀樹 博士(医学)
■協力機関:日本疲労学会、日本産業衛生学会、神奈川県未病産業研究会、東海大学、株式会社ベネクス ほか
■URL:https://www.recovery.or.jp/

疲労対策は“福利厚生”から“経営戦略”へ

年間15.2兆円という莫大な疲労損失額は、企業にとって無視できない経営課題です。従業員の健康を守ることが、組織のパフォーマンス向上と直結する時代。日本リカバリー協会は科学的データをもとに、企業の“リカバリー投資”のあり方を再定義し、経済損失の削減と持続的成長の両立を支援しています。

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