【うつ病や不眠症に悩んでいる方へ】投薬だけに頼らない新しい治療法”TMS”

TMS治療 おすすめコラム
【うつ病や不眠症に悩んでいる方へ】投薬だけに頼らない新しい治療法”TMS”

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必ず受診される際は病院やクリニックの専門家にご相談してください。
読者の皆様は、ご自身の判断でお読みいただき、参考にしていただくようお願いいたします。(2023/3/25時点)

2018年に行われた厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、過去1ヶ月間に十分な休息をとっていないと回答した人の割合は21.7%であり、2009年から増加傾向にあることが分かりました。

また、1日の平均睡眠時間については、男性34.5%、女性34.7%が6時間以上7時間未満の睡眠時間であり、男性36.1%、女性39.6%が6時間未満の睡眠時間であることが分かりました。特に、男性の30〜50歳代や女性の40〜60歳代では、4割を超える人が6時間未満の睡眠時間であることが判明しました。
参照元:平成30年(2018)「国民健康・栄養調査」の結果

うつ病などの気分[感情]障害(躁うつを含む)に関しては、約124.6万人と調査がでており、平成14年~平成29年の間に約1.8倍の増加傾向となっています。
参照元:令和4年6月9日 厚生労働省「第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会

過去1年間(令和2年11月1日から令和3年10月31日までの期間)にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は10.1%[令和2年調査9.2%]となっている。
このうち、連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は 8.8%[同 7.8%]、退職した労働者がいた事業所の割合は 4.1%[同 3.7%]となっている。
また、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者の割合は 0.5%[同 0.4%]、退職した労働者の割合は 0.2%[同 0.1%]となっている。

※引用:厚生労働省の2021年「労働安全衛生調査(実態調査)

また、上記の調査は2021年10月末実施、事業所調査は7,831所、個人調査は労働者7,426人から回答されています。※参照元:令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

ただし、実際にはうつ病に苦しむ人の数は、公式の統計よりもはるかに多いとされています。特に、若年層においてはストレスや不安が原因でうつ病になるケースが増加しています。

また、うつ病には潜在的な要因が存在するため、症状が現れる前段階の「うつ病的症状」を抱える人も多く存在しています。そのため、うつ病に対する正確な割合を把握することは難しいとされています。

投薬だけに頼らない治療法「TMS」「rTMS」「ΘBurst」とは?

TMS治療とは、脳の磁気刺激を利用して、うつ病や統合失調症などの精神疾患を治療する方法です。近年、TMS治療は注目を集めており、多くの人々によって利用されています。

TMSとは、Transcranial Magnetic Stimulation(経頭蓋磁気刺激)の略で、脳神経系に磁気刺激を与えることによって、うつ病などの神経精神疾患を治療する方法の一つです。非侵襲的かつ安全な方法で、特定の脳領域に磁気刺激を与えることで、神経伝達物質の放出を促進し、神経回路の機能を改善することができます。

頭部に電磁石を当てて磁気パルスを発生させることで、脳の神経細胞を刺激することができます。これによって、うつ病などの神経精神疾患で不足している神経伝達物質の量を増やし、神経回路を正常化することが期待されています。

抗うつ薬や精神療法などの治療が効果がなかったり、副作用がある場合に適用される場合があります。また、脳の機能を直接的に変えることができるため、(※1)てんかんやその治療の一環としても用いられます。

参照元:※1 Cochrane「てんかんの治療に対する経頭蓋磁気刺激

TMS治療の中に、「rTMS治療」と「ΘBurst治療」があります。rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)とTMS(経頭蓋磁気刺激療法)は、両者ともに脳に磁気刺激を与える治療法のことを指しており、一回の刺激であるTMSに対して、反復刺激のことを指すものがrTMSになります。(※2)TMSもrTMSも同様の意味でつかわれるケースが多いようです。

参照元:※2 つのおクリニック「よくあるご質問:TMSとrTMSはどう違うのですか?

rTMSは、うつ病の治療に有効であるとされ、抗うつ薬に反応しなかったり、副作用が強く出たりした患者に対して、代替治療法として用いられており、前頭葉に繰り返し刺激をすることで症状を改善させます。(※3)また、脳卒中後の片麻痺の治療にも効果があるとされています。

参照元:※3 医療法人社団六心会 恒生病院「脳卒中慢性期の上肢麻痺に対する最新の治療

ΘBurst治療は、最先端のTMS治療のようで、rTMSにシータリズムを取り入れた方法で、40分以上かかっていた治療を3分で同等の効果を出すといわれております。

参照元:東京TMSクリニック【TMS治療の種類】~rTMSとΘburst の違い~

それぞれの治療法の適応や効果については、医師に相談し、適切な治療法を選択することが重要です。

どのくらいのペースで通う?

TMS治療は、通常頻度を空けずに行うことが重要です。可能であれば、週に5回程度のセッションを行い、病院や治療法により異なりますが、1回あたり約10分から約40分程度の時間がかかります。治療期間は、個人差がありますが、通常4週間から8週間程度です。

当メディア担当の一人も、ΘBurst治療をした経験があり、週3〜4回のペースで一日3回受けていたました。空けずに受けるほど効果を感じやすいという印象を受けたようです。ただし、特にうつ病の方などは、”通わなければならない”などの義務感などはすて、可能な限り期間を空けず自身の通いやすいペースで通うことをおすすめします。

副作用はあるの?

TMS治療の副作用は、頭痛やめまい、かすり傷、筋肉痛、痙攣発作などがありますが、通常は軽度であり、治療後すぐに改善されることがおおいといわれております。重度の副作用は稀で、脳への損傷などのリスクは非常に低いとされています。

以下が主な副作用のリスクとされているものです。

TMS治療の副作用
東京TMSクリニック TMS治療の副作用の資料を当メディアにて編集したもの

引用元:東京TMSクリニック「TMS治療の副作用」および以下文献からのTMSクリニックの引用
出典:鬼頭伸輔編『うつ病のTMS治療』金原出版,2016年発行,P37
鬼頭伸輔:国内外におけるrTMSの現況、安全性に関する留意点,精神経誌2015;117:103-9より
書籍『うつ病のTMS療法』(鬼頭伸輔編、金原出版、2016年発行)では、うつ病に対するrTMS治療の副作用について、米国で行われた大規模臨床試験の結果が以下の表のようにまとめられています。更にこれについて、「治療日数を重ねるにつれて、頭痛、疼痛、不快感は速やかに軽減することが多い」と記載されています。尚、このデータはrTMS治療として最大の刺激強度を用いた結果である点に注意が必要です。

TMS治療は、医師や精神科医の指導のもとで行う必要があります。また、治療の適応や禁忌症などについては、医師に相談することが重要です。

TMSはクリニックによって種類がある

TMS治療の種類には、いくつか種類があります。病院やクリニックにより違うケースがあるため、ネットなどから事前に確認してからクリニック選びもしましょう。

うつ病や不眠症以外にも適用されている

TMS治療は、主にうつ病の治療に使用されますが、その他の神経精神疾患にも有効な場合があると言われています。例えば、統合失調症、パーキンソン病、てんかん、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、不安障害、強迫性障害、摂食障害などが挙げられます。

TMS、その効果は?

TMS治療の効果は、患者の症状や疾患の種類によって異なりますが、多くの研究で効果が認められています。うつ病の治療においては、薬物療法や認知行動療法に比べて、副作用が少なく、反応が早いという利点があります。

1回での治療で効果がすぐ現れることは少なく、平均20~30回通院することで、効果を感じやすくなるといわれております。担当者の実体験としては、効果を感じ始めたのは15回目くらいからでした。

※以下は担当者が感じた効果です。

・思考のモヤモヤがなくなった

・伝えたいことがロジカルに伝えられるようになった

・気分の落ち込みが減ってきた

・お腹がすくようになった

・イライラが減った

また治療は専門の医師や精神科医によって行われ、治療中は、医師や看護師が患者の状態をモニタリングし、必要に応じて処置を行います。治療後には、患者の状態を評価するために、症状や気分の変化を尋ねることがあります。もし副作用かな?と思うことがあればすぐに相談するようにしましょう。

TMS治療の効果は、一般的に治療終了後に最も顕著に現れますが、治療後数週間から数か月間は持続することもあります。一部の患者では、継続的なメンテナンス治療が必要な場合があります。

どのくらいかかる?実費は?保険負担は?

2019年6月にうつ病に対するTMS治療が保険適用化されました。

TMS治療の費用は、保険によって異なりますが、一般的には比較的高額な治療法となります。また病院にもよりますが、治療には診断書や予約が必要な場合があります。保険適用のできる病院とできない病院があり、担当者が通っている病院では、 保険適用ができず、Θバーストは約5,000円、rTMSは約10,000円と1回の負担が大きいです。

ただし、保険適用される場合は、3つの条件があるようです。

  1. 対象:治療抵抗性のうつ病患者であり、医師がTMS治療を適切と判断した患者
  2. 医療機関:地域の精神科中核病院への紹介が必要となる
  3. 治療方法:保険診療では、入院治療に限定され、外来でのTMS治療は行われていない

※引用元:東京TMSクリニック「TMS治療とは?メカニズムや効果、治療期間について解説します

しかしTMS(経頭蓋磁気刺激療法)およびrTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)は、日本の医療保険制度においては保険を受けられる方も少なく、ほとんどの方が「自由診療」扱いとされる可能性が高そうです。つまり、公的な医療保険では適用されることが少なく、自己負担が必要となるケースが多いようです。

どのように治療するの?

担当者が通っている病院では、問診や診療を受けてから初回はスタートします。そして今の気分や状態を10段階で評価し、10回診察が終わる毎に同じく問診と診療を受け評価をします。

治療自体は、とても簡単で、ただ椅子に座るだけです。丸い円盤のようなものを上から押し当て、ビリビリと電気を流します。痛みはほぼなく、大きな静電気のような音がしますが、安全に行われます。痛さを感じた際は、調節できるので先生に伝えましょう。

他の治療法も登場

最近では、TMS治療の技術や装置が進歩し、より精度の高い治療が可能になっているそうです。また、TMS治療以外にも、Transcranial Direct Current Stimulation(tDCS)やDeep Brain Stimulation(DBS)などの神経刺激療法があるようです。

しかし、TMS治療やその他の神経刺激療法は、医師の診断や適切な治療計画に基づいて行われる必要があるため、自己判断での治療や、専門的な知識や訓練を受けていない者が行う治療は、危険であり、患者の状態を悪化させる可能性があります。したがって、TMS治療を受ける際には、信頼できる医師や施設を選ぶことが重要です。

投薬や認知療法では効果が少ないと思われる方は、一度TMS治療を検討してみてはいかがでしょうか。新しいうつ病への選択肢としても今後も注目が集まりそうです。

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