ビジネスパーソンの睡眠状況調査：”年に1度の睡眠診断運動”第1回結果報告

調査結果によれば、ビジネスパーソンたちの平均睡眠時間は6時間9分であることが明らかになりました。また、調査に参加した人のうち3人に1人以上が、睡眠時間だけでなく深さについても不足していると回答しています。

「年に1度の睡眠診断運動」と称される、ビジネスパーソンの健康経営において重要な「睡眠」に関する意識向上を目的とした第一回の取り組みが行われました。主催は第一三共ヘルスケア株式会社とT&D保険グループの株式会社All Right、そして事務局はデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社と株式会社博報堂 Growth Studio of Creativity「TEKO」が務めました。この運動は、2022年11月から12月にかけて実施され、参加者数は2,385名でした。そのうち、14日間の計測を完了した1,390名のデータを集計し、集計結果は、3月18日の「春の睡眠の日」に発表されました。

「年に1度の睡眠診断運動」の第1回結果発表

• 平均睡眠時間は6時間9分、参加者の睡眠不足傾向が浮き彫りに

本運動の参加者全員の平均睡眠時間が6時間9分であることが明らかになりました。この結果は、経済協力開発機構（OECD）が行った調査「Gender Data Portal 2021」（https://www.oecd.org/gender/data/）によると、日本人の平均睡眠時間（7時間22分/加盟30カ国の中で最下位）を下回っており、ビジネスパーソンの睡眠不足傾向を示しています。

• 睡眠落第組は3人に1人以上、睡眠時間と深さに問題を抱える

参加者の「睡眠時間」と「深い睡眠」の割合に基づいて、参加者を「睡眠優等組」「睡眠あと1歩組」「睡眠不足組」「睡眠落第組」の4つに分類したところ、睡眠時間が短く深い睡眠の割合も低い「睡眠落第組」が最多で36.1％となりました。

• 本運動参加により、仕事のパフォーマンス向上の兆しが現れる

参加者に対して実施したアンケート調査によると、本運動に参加する前の自己評価において、100％を満点とした「仕事の出来」に関する自己評価は79.8％であったが、参加後は82.9％と伸びました。また、参加前と比較して、「以前より仕事がはかどるようになった」と回答した人は10.7％、仕事に対するストレスを「ほとんど感じていない」と「感じていない」と回答した人は12.9％となりました。

• 参加者の睡眠改善意識が高まり、行動に移す人が増加

参加者の睡眠に関する行動について、本運動に参加する前と後で比較した結果、睡眠時間を意識した行動は、「常に行動に移している」や「たまに行動に移している」が増加しました。具体的には、参加前は32.0％だったのが、参加後は45.7％にまで増加しました。同様に、睡眠の質を意識した行動も増加し、参加前は22.2％だったのが、参加後は37.3％にまで増えました。

コロナ禍による生活や働き方の変化に伴い、企業や団体における社員や所属員の健康管理・健康経営の重要性がますます高まっています。そこで、睡眠を重要視した運動である『年に1度の睡眠診断運動』が開催されました。

一般的に、睡眠が心身の健康に大きな影響を与えることはよく知られていますが、周囲の人と比較をして、自分自身の睡眠状態を正確に把握することは簡単ではありません。この運動は、自分自身の睡眠状態を把握し、改善するための機会を提供することを目的としています。

この運動は、健康診断や人間ドックのように、自分自身の健康を意識する機会として位置づけられています。現在、第2回目となる『年に1度の睡眠診断運動』が、2023年6月1日（木）から開始されます。参加企業や団体を広く募集しています

※参加加社数によって開始時期が変更される可能性があります。

『年に1度の睡眠診断運動』第1回参加企業の結果レポート（2022年度）

▼参加人数・属性

▼参加者全員の睡眠時間傾向について

本運動に参加した全体的な平均睡眠時間は6時間9分で、日本人の平均睡眠時間よりも短い結果となりました。加えて、以下の傾向が見られました。

• 年齢が高いほど睡眠時間が短くなり、若い世代の方がより長い睡眠時間をとっている。
• 性別による差はほとんど見られなかったが、男性は女性よりも睡眠時間が短く、その他/未回答の方が最も長かった。
• BMI区分においては、肥満の人ほど睡眠時間が短くなる傾向があった。やせや標準体重の人と比べると差は見られなかった。

本運動では、参加者の平均睡眠データを属性別に計測・比較し、様々な睡眠傾向が明らかになりました。全体的な平均睡眠時間は6時間9分で、経済協力開発機構(OECD)の調査「Gender Data Portal 2021」( https://www.oecd.org/gender/data/ )による日本人の平均睡眠時間（7時間22分/加盟30カ国の中で最下位）よりも短いという結果になりました。また、年齢、性別、BMI区分によっても睡眠時間に差が見られました。

▼睡眠のタイプによる結果

「睡眠落第組」と呼ばれる、睡眠時間も深さも足りない人が全体の3人に1人以上いることが判明
本運動期間中、14日間にわたって参加者の睡眠データを計測し、その結果を基に個人レポートがアプリ内で提供されました。レポートには、睡眠時間の長さと深い睡眠の割合に基づいて、参加者を4つのグループに分類しました。その結果、睡眠時間が短く、深い睡眠の割合も低い「睡眠落第組」が最も多く、全体の36.1％を占めていました。

▼睡眠と仕事のパフォーマンスの相関関

本運動への参加が仕事のパフォーマンス向上につながる兆し

・参加前と比較して、「仕事の出来」の自己評価が平均3％程度アップしました。
・10.7％の参加者が、「本運動の参加前と比べて仕事がより捗るようになった」と回答しました。
・さらに、12.9％の参加者が、「本運動の参加前と比べて仕事のストレスを（ほとんど）感じていない」と回答しました。

▼本運動参加者の意識変化

約半数の参加者が、本運動によって睡眠への意識が変化したことを実感
「本運動に参加したことで、睡眠の意識に変化がありましたか？」という質問に、約半数の参加者が、本運動に参加したことで睡眠への意識が変化したと回答しました。質問に対する回答は、「大きな変化があった」と回答した人と「変化があった」と回答した人を合わせると約50％になります。

▼参加者の行動に変化

「本運動に参加して睡眠の意識に変化がありましたか？」という問いに対して、「大きな変化があった」「変化があった」と回答した参加者は、約50％になりました。さらに、半数近くの参加者が、本運動によって睡眠に対する意識が変化したことを実感しました。

▼本運動に参加していた参加者の行動が変化

「睡眠時間」と「睡眠の質」について意識し、改善のために行動を起こした参加者の割合が増加した。
「睡眠時間／睡眠の質を意識した行動をとっていますか？」というアンケート調査を、本運動の参加前後で行った結果、「毎日意識しており、改善や継続のために常に／たまに行動にうつしている」と回答した人の割合が増加しました。

また、本運動に参加していただいた企業・団体様には、参加者全員の睡眠データを元にしたレポートを提供しています。このレポートでは、参加者全体の平均データと比較した各個人の睡眠状態や、睡眠に対する意識の差、属性による傾向などが分析されています。企業・団体様にとっては、睡眠状態の把握や改善のための具体的な施策の立案に役立つことが期待できます。